どんぶらアニマル さんぽ道

CBR250RR(MC22)とNSR80(HCO6)とAPE50(AC16)を中心とした備忘録。

CBR250RR(MC22)のフロントホイール周辺から異音、ホイールベアリングを交換

 MC22で走行中、60Km/hを超えるあたりからフロント周りからグオーーーとうなり音が鳴り始める。拾ってきた状態の時から鳴ってる。アッパーカウルの中で反響しているのでどこから出てるのかイマイチ分からない。クラッチを切っても鳴り続けるのでエンジンやミッションでは無さそう。

4輪のN360の経験ではハブベアリングが摩耗したときに同じような音がした。ということでホイールベアリングを交換してみる。

CBR250RR(MC22) 純正フロントホイールベアリング

用意するもの

ラジアルボールベアリング(パーツナンバー:96150-60040-10)2個
ダストシール(パーツナンバー:91257-KA3-711、もしくは91257-KA3-712)2個
ベアリングプーラー
外径42mmのベアリングを打ち込む何か
フロントスタンド
リアスタンド
 
ベアリングはパーツリストで6004UUと示されているので純正でなくても可。6004UUというのは工業規格で決まっているものなのでどのメーカのものでも適合する。
 
6004はベアリングの方式、外径、内径のサイズを示し、UUは両サイドのシールの種類と片側か両側かを示す。6004は一致していないと物理的にはまらない。UUは両側にリップシールがあることを示す。両側にダブルリップシールが付くZZでもいい気が。
 
とはいえ、品質はメーカごとに異なる。安全にかかわる部分は信頼できるメーカを選びたい。

ホイールを外す

今回、デイトナのスタンドを導入した。購入価格はアマゾンで1万円位。

「デイトナ バイク用 フロントスタンド 高さ7段階調整 7サイズのステム対応 耐荷重200kg フロントスタンド2 22152」

というやつ。これはステム内径φ13/φ15.5/φ18/φ20/φ22/φ24/φ27のステムに対応するアダプタが付属しているので未確認だけどエイプやNSR80でも使えるんじゃないかと。

写真に写ってる赤いライトはダイソーで買った単四4本で使えるLEDライト。色んな場所で巻き付けたりして使えて便利なので何個かストックしてる。2、3年前まではダイソーに置いてあったけど最近は見かけなくなった。

CBR250RR(MC22) フロントスタンド
 

三又みたいな2本足で立つタイプのスタンドの方が使わないときの収納に便利と思ったけど、使ってるリアスタンドはコロが付いていて押すと移動できるようになってるので、意図せずリアが動いた時に倒れてしまいそうで怖くて今回の製品を選んだ。使ったことが無いので実際はどうなのか分からない。


ちなみにリアスタンドはアマゾンで5000円位の
「Apextreme バイクスタンド メンテナンススタンド リアスタンド 後輪用 リア用 耐荷重340kg キャスター付き 六角レンチ付き L型」
 
エイプで使うときに買ったのでスイングアームにかける部分がL型。MC22はスイングアームにピンが出ているタイプなのでアマゾンで1000円位の
「(STRAIGHT/ストレート) アダプターセット (15-929、15-931、15-935メンテナンススタンド リヤピン用) 15-9352」
を買い足して交換した。

ホイールを外さないことには始まらない。その前に、まずは左右どちらか一方のブレーキキャリパーを外し、ブレーキホースに負担がかからないように針金でフレームに吊り下げる。

CBR250RR(MC22) フロントキャリパー取り外し
 
左右それぞれ2本のアクスルを絞めているボトムケース ピンチ ボルトを緩める。
CBR250RR(MC22) フロントフォークのボトムケースピンチボルトを緩める
 
アクスル ボルトは固くてスタンドにかけた状態で力をかけるのは危険そうなので一旦下した。で、超固かったので体重をかけて回した。シャフトが供回りする場合は、左側のシャフトの穴にドライバ等を突っ込んで押さえてボルトを回すといいらしい。
CBR250RR(MC22) フロントフォークのアクスルボルトを緩める
再度、スタンドにかけてシャフト左側にドライバを入れてシャフトを回しながら引き抜く。が、固くて回らない。
CBR250RR(MC22) アクスルシャフトが抜けない


反対側から優しくコンコンして抜いた。
CBR250RR(MC22) アクスルシャフトを抜く


右側のフォークからアクスルシャフトが抜けるとタイヤが斜めに落ちてこようとするので、斜めにならないようにタイヤを支えながらシャフトを引き抜く。
CBR250RR(MC22) アクスルシャフトが抜けてきた
 
抜けた。
CBR250RR(MC22) アクスルシャフトが抜けた
 

ベアリングを打ち換える

ディスクが痛まないように木片の上に置いてこの先の作業をする。
CBR250RR(MC22) フロントホイールの保護
 
まずはダストシールを外す。
CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリングシールを外す

ベアリングプーラーは楽天で5000円弱の
「パイロットベアリングプーラーセット 8~29mm YZF013」
を使った。
 
一般的なプーラーのセットよりかなり安く、評価は高くないので使う上で多少の工夫が必要になることは覚悟で買った。
 
出だしから、買ったままでは使えないことが判明。ベアリングの内径は20mm。セットの説明書ではアダプタの#5が17~20mm、#6が20~24mmとなってるが、#5は最も広がった状態で20.1mm程度しかなく20mmのベアリングには使えない。予想外の方向からの使えなさだった。
CBR250RR(MC22) ベアリングプーラーのサイズが合っていない

#6は最も閉じた状態21mm位あって入らない。なので万力でギューッと縮めてやった。
CBR250RR(MC22) ベアリングプーラーを万力で補正する
 
丁度20mm位になったので、これを使って抜く。
CBR250RR(MC22) ベアリングプーラーを万力で補正できた

これで簡単に抜けると思ってたけど、プーラーの足の長さが足りなくて、ベアリングにかかる前にプーラー自体の上限に達してしまって抜くに至らなかった。
CBR250RR(MC22) ベアリングプーラーをセットしたが抜けなかった
 
で、当て板を入れて上げ底。抜けてきた。
CBR250RR(MC22) ベアリングプーラーを上げ底にした

抜けた。カラーが入ってたけど写真はカラーを取り出した後のもの。
CBR250RR(MC22) ベアリングが抜けた

反対側も同じ要領で抜いて、全部抜き終わって出てきたもの全員集合。ベアリングの中を確認するためにベアリング自身のオレンジのダストシールも外してみた。

ホイールをフォークから外している時の感触からベアリングは問題ない予感がしてたけど、やっぱり問題ない。指で回してみてもゴロゴロしないしスムーズに回る。グリスも大して汚れてない。

CBR250RR(MC22) フロントホイールから外した部品

このまま閉じるのもあれなので、用意した新品に入れ替える。左が用意した新品。右が付いてたやつ。右のグリスが茶色いのは汚れというより、もともとのグリスの色なんじゃないかと。
CBR250RR(MC22) フロントホイールの新旧ベアリングの比較

カラー関係はパーツクリーナで洗い、錆びてほしくないのでシリコンルブを塗ってグリスを薄付け。
CBR250RR(MC22) フロントホイールのカラーの清掃

ベアリングはスムーズに挿入できるように外周に薄くグリスを塗る。

片側をトンカチでベアリングの外周を優しく均等に叩いて垂直に途中まで入れる。トンカチで正確に垂直に入れるのは困難、というか無理。タイヤを立てたときに落ちなければいいのでもっと浅いところでやめた方が良かった。
CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリング打ち込み
 
次に反対側。カラーを入れる。
CBR250RR(MC22) フロントホイールのカラー挿入

ベアリングの外周にグリスを薄付けして乗せて、2、3mm程度入ったとこまでトンカチでコンコンして嵌める。こっちもタイヤを立てたときに落ちてこなければいいので奥まで入れない。
CBR250RR(MC22) フロントホイールの反対側のベアリング打ち込み

自転車のヘッドパーツ圧入機で仕上げる。トンカチで叩いて入れる場合は、外径41㎜位のソケット等があればベアリングの外周に当てて打ち込むかな。ソケットの外周は面取りされてるからアウターよりインナーレースに力がかかりそうなんで使えるものは滅多にない気がする。

何にせよベアリングの外周に垂直に当てるのが重要。内側のインナーレースに力をかけて叩くとベアリングの中のボールやレースが傷ついてしまうから。

CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリング打ち込み仕上げ

CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリング仕上げの図 右側

CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリング仕上げの図 左側

ある程度入ったら、圧入機を外してカラーが抵抗なく回ることを確認しながら圧入していく。カラーが左右のベアリングに軽く接している位まで圧入する。

入れすぎたらプーラーで優しく戻す。プーラーはインナーレースを引っ張るので少なからずベアリングにダメージが出るのでできれば使わずに済ませたい。

ちゃんとした圧入機があれば一発なんだろうけど、ありものの工具で微妙な位置に合わせるには結構手間がかかる。

ホイールの左右に新品のダストシールを手で押し込んでホイールは完成。
CBR250RR(MC22) フロントホイールのベアリングシール取り付け
 

ホイールの取り付け

後は、ばらした時の逆の手順でフォークにホイールを付けて、ブレーキキャリパーを付けたらおしまい。
 
締め付けトルクは
ボトムケースピンチボルトは2.2kg-m
アクスルボルトは6.0kg-m
キャリパーのブラケットボルトは2.4~3.0kg-m
 
昔から使ってるトルクレンチは中村製作所のKANON 450QLK。N360のエンジン用に買ったもので1~4.5kg-mが守備範囲。MC22のアクスルボルトのトルクには届かない。
CBR250RR(MC22) KANONトルクレンチ

MC22のサービスマニュアル確認したところ、最もトルクの高い箇所は
ステアリングステムナット 9.0~12kg-m
ドリブンスプロケットナット 8.0~10kg-m
あたりなので10kg-mまでに対応できれば良さそう。

で、TONEのT3M100(20~100N・m)を発注したがまだ届いていない。。。楽天で16000円位。差込角が12.7mmのT4M100にしたかったけど2万円強と高くてあきらめた。

締め付けトルクは自分の感覚を信用できない。特に高トルク部。なのでトルクレンチは信用できるものを選びたい。

最近、ラチェットが壊れて、お手頃価格で良さげなものを探してTONEにした。TレンチのハンドルもTONEを買い足してみて、どちらも気持ちいい使い心地で気に入っている。なのでお手頃というにはちょっと高いが他の国産に比べてリーズナブルなTONEのトルクレンチにした。

CBR250RR(MC22) TONEのラチェットとTレンチハンドル
 
ホイールナット専用と謳われているT4HC140が40~140N・mで1万円程度なのでこっちでも良さそうだったけど、最大トルクが140N・mな為か全長が530mmもある。T3M100は336mm。どっちも工具箱(袋)からはみ出すけど、マンションの部屋と1階の駐輪場をエレベータで行き来する上で530mmは扱いにくい気がした。40N・mが最低だと使える箇所が少なく、手持ちのKANONとのオーバーラップも少なくなってしまう。でも将来100n・mを超える状況が出てきたら後悔するのかも。

試乗

予想通り、変化なし。なんだろ?カウルの共振にしては衣替え前のMOVISTARと衣替え後のスプラッシュでも違いがないから違う気がする。アッパーカウルを外して走ってみる?整備不良で怒られる?
ホイールバランスなのか?今回、バランスを見忘れたので今度見てみよう。
タイヤの偏摩耗?見ただけだと、そうは見えなかった。溝はあるけどひび割れが出てるんで変えなきゃなぁ。
 
あぁ、フロントフェンダーを交換し忘れた。
 
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