前々回にフィッティングを確認したが再模索した上で、前回オーバーホール(というか単なる分解清掃に終わった)したラジアルマスターを組み付けてフールドを充填して完成させる。
用意するもの
- NISSIN ラジアルマスター一式 11/16インチ (PC40純正)
- マスターオイルカップ(PC40用マスターに付いてきた中古品)
- マスターシリンダーホース(PC40用マスターに付いてきた中古品)
- ホースクリップ 2個
- マスターシリンダーステー(PC40用 品番:45550-MKZ-J00)
- ミラーホルダー(通常はマスターに付属してるので不要。NISSINミラーホルダー ブラウン 品番:65822)
- DOT4ブレーキフールド(二輪用 500ml)
- クラッシュワッシャー 3個(マスター側のホースを付け直すから)
エア抜き用工具関係
- 8mmのメガネレンチ
- エア抜き用ホース 30~40cm位
- ペットボトル
フィッティングの再模索
最終確認なので、カップのステーや予備のクラッシュワッシャ、ブレーキフールド等を用意。
マスターのカップを固定するネジ穴の部分が切り取られているので、NISSINのミラーホルダー ブラウン(品番:65822)を買った。
ステーは汎用がいろいろあるけど良さげなのは高かったり、いろんな形状があってどうしたら良いのか迷ってしまったので、400円とお安いCBR600RR(PC40)純正のフロントマスターシリンダーステー(45550-MKZ-J00)にした。ミラーホルダーのネジ穴がM10なのでステーの穴をリーマで拡張した。カップはマスターに付いてきた中古のブレンボなんだけどこっちの穴もちょっと小さかったので拡張した。
マスターをハンドルに付けるとホースに引っ張られてバンジョーボルトを入れにくいので、ハンドルに固定する前にホースを緩く繋いだ。
写真の通りマスター側のホースの取り回しは、バンジョー上段に左、下に右のホースを入れて、上のホースが車体外側、下のホースが内側になるようにした。これは、上のホースの車体内側に行ける限度はスイッチにぶつかることで限界が決まってしまう。下のホースはスイッチにあたらないのでもっと内側に向けられるから。右のホースの余裕が少なかったけど、これで多少の余裕ができた。
マスターをハンドルに取り付けた状態のホースの取り回しはこんな感じ。
フォークが伸びた状態でのホースの状態はこんな感じ。余裕はあるけどもうちょっと余裕が欲しいかな。
なんかフェンダーが埃だらけだな。黄砂か?
横から覗くとこんな感じ。
カップのステーはPC40用なのでMC22に合うはずもなくカップが傾くのでモンキーでステーを掴んで曲げたり捩じったりして水平になるようにした。
この状態だとマスターのブリーダの上にステーがあってブリーダを使えないのでフールドを入れる時はステーのボルトを緩めてカップを移動しといた。カップからのホースをコネクタに挿してある箇所に合うホースバンドが無かったので今回はタイラップでギュッと締めておいたのは秘密。。。
フールドを入れてエア抜き
まずは、マスター周辺にフールドが漏れても良いように養生。
カップにはMAXまでなみなみとフールドを入れておく(写真ではちょっとしか入ってないけど)
で、車でもやってた原始的な方法でフールドを入れていく。車と違って一人でできるのが良い!まずは右キャリパーから。(注射器を使うとかいろいろあるけど機材が増える方が面倒に思う性格なのと、この作業も遊びでプロとは違ってそこまで時短を考えてないから)
8mmのメガネをブリーダにセットしてホースを挿してペットボトルへ。ブリーダを回すたびにホースが回転してペットボトルがぐらぐらするのでしペットボトルはマスキングテープで車体に固定した。
で、みなさんご存じ
- ブリーダを開く(45°位回す)
- レバーを握る
- ブリーダを閉じる
- レバーを離す
を繰り返す。
このニギニギの繰り返しは、レバーを離してすぐにブリーダを開いたり、5秒位待って開くなど間隔を変えて試す。5秒位待ってブリーダを開いた方が効率よくエアが出ることがある。
で、フールドがブリーダから出てきたら、ちょっとパターンを変えて
- レバーをギュッと握り続ける
- ブリーダを勢いよくキュッと開く(レバーは勢いよく握り込まれる)
- ブリーダを閉じる
- レバーを離す
というのも途中で何度かやってみる。フールドの流速が早くなるので最初のパターンで取れない気泡が出てくる。
50回くらい繰り返したら最初のフールドが出てきた。
後は、カップのフールドを切らさないように、
- ブリーダを開いて、レバー握って......を10回やるたびにカップを見る
という感じでカップ内のフールドの残量を確認しながら進めて、カップのフールドがMIN近くになったら継ぎ足す。うっかりカップのフールドが底をついてゴボゴボッって音がしたら最初からやり直しになるので。そういう自分もまたやってしまったのも秘密。。。
ブリーダから出てくる気泡が少なくなってきたら右キャリパーは一旦終了。
ペットボトルに溜まったのはこれくらい。まだマスター付近にエアがあるので右のホース内にフールドが概ね行きわたってればエアが入っててもOK。
左キャリパーに移る。右をやってる間に左にもフールドがだらだらと廻っていくので左は数回のニギニギでフールドが出てきた。写真では一回のニギで連なった3個の大きな気泡が出てるけど、こっちもニギニギの3回に1回位の頻度で3個の中の小さいやつが1個くらいしか出てこなくなったら一旦終了。
マスター本体に移る。マスター本体のブリーダにメガネとホース、ペットボトルを繋いでエア抜きする。ここまでくるとブリーダを閉じたままでニギニギするとレバーが固くなり(タッチが出てきて)、キャリパーがディスクを掴んでブレーキが効く状態になっていることがはっきりと感じられるようになる。
ここは完全にエアが無くなるまでニギニギする。ニギニギ中にホースやバンジョー、キャリパーを軽く叩いてエアがマスターに上がってくるように促す。と言っても叩いた効果はあまり実感できない。フォークを縮めたり車体を揺らしたりする方が効果的な気がするがフールドがこぼれないようにカップの蓋をするのが面倒なのでやってない。
右キャリパー2回目。今回は微細な気泡も完全に無くなるまでしつこくやる。
左キャリパー2回目。これも完全に気泡が出なくなるまでやる。写真は撮ってなかった。
で、終わったところでペットボトルを見ると結構な量が溜まってる。実は、ニギニギ中にカップからゴボゴボッって音をさせてしまった。それでカップのフールドが空っぽになって最初からやり直したことと、各ブリーダで泡が出なくなってからもしつこくいろんなパターンでニギニギしてたから非出量が(異常なくらい)かなり多めになってる。
500mlの缶には1/4位しか残ってない感じ。使いすぎ。。。
なんでフールドに四輪用を使ったかというと、4輪と2輪で別の商品があると知らなくてDOT4であること以外何も考えずに買ったから。ホンダの説明によるとホースの材質や温度変化の違いから2輪用と4輪用は設計が違うらしいのでフールド交換の時には2輪用に変えようと思う。
おまけ
ブレーキフールドを充填したり、エア抜きをする際にレバー操作に合わせてブリーダを開いたり閉じたりする作業が不要になるというワンウェイバルブを買ってみた。
が、マスターやホース、キャリパーのフールドが空っぽの状態では役に立たなかった。
というのもワンウェイバルブの中のスプリングが強くて最初のフールドが出てきたらそのフールドがワンウェイバルブを通らない。そりゃそうだ、バルブの手前の経路はほぼエアなのでエアを圧縮する力の方がフールドが通過するために必要な力より弱いから。
最初のフールドの滴がバルブの手前で止まったまま、ブリーダから何も出てこなくなった。フールドがホースやキャリパーに入っている状態であればうまく機能すると思うのでフールドの交換では役に立つんだろう。全作業が終わってホース類を洗うついでに、水道の蛇口にあててみたところ、結構水圧が高くないとバルブから水が出なかったことからも推測通りなんだろう。。。
試走
これから雨が降るらしいので試走は明日の夜かな。
押し引きをしてみた感じ、かなり引きずってて、ザーって言うかジャリジャリーッって音がしてる。イヤな音だけど中古パッドなので新品以上に馴染むのに時間がかかるかも。
レバーの感触は押し引きだと良く分からない。軽い力で効くというのは本当みたい。ちょっと力を入れただけでガツンと止まる。まあ、押し引きレベルでの話しだけど。
ひとっ走りしたら引っかかってたエアが移動するかもしれないので、走った後でマスター、右キャリパー、左キャリパーの順でエア抜きした方が良いかも。