どんぶらアニマル さんぽ道

CBR250RR(MC22)とNSR80(HCO6)とAPE50(AC16)を中心とした備忘録。

CBR250RR(MC22)のバッテリーが充電されなかったのでレギュレータの配線を補修

オーバーホールしたキャブに載せ替えるとともにスポーツグリップヒータを取り付けた後の試走でバッテリが上がってしまった。

その原因の調査と対策をしたい。
謎の体調不良でゲロりそうなので頭を使わず淡々と進める。

 

用意するもの

・テスター
・レギュレータ用5極コネクタ(アマゾンで購入)
・UL線 少々(AWG12とAWG16)
・圧着スリープ(AWG12用とAWG16用)
・圧着ペンチ(エーモン 電工ペンチ 型番1452)
・自己収縮絶縁テープ(古川電工 エフコ テープ2号)


バッテリの充放電状態の確認

確認前に乗りたい願望を抑えきれず、レギュレータを中古の熱対策品に交換した。
なので、現象発生時とは環境が異なるが、このレギュレータに交換後の状態を確認する。

バッテリターミナル間の電圧を測ってみたら11Vを切っていた。
このままではセルも回らないのでバッテリを家で充電して12Vまで復活させた。
このバッテリを使って始動して電圧を確認する。

・1500RPM(アイドリング中)のバッテリターミナル間:12.07V(低いなぁ)
・4000RPMのバッテリターミナル間:14.26V(まあまあ)

鉛バッテリの標準電圧は12.8Vなので12.07Vは放電中となり、充電されていない。アイドリングを長く続けるとバッテリが上がってしまう状態になってる。
一般的に電子制御無しの鉛バッテリの充電電圧は13~15Vなので走行中は許容範囲内で充電されている。
ざっくり言うと、アイドリング中は充電されず放電し続け、走れば充電される状態。
 
念のため、ジェネレータの出力電圧を測っとく。

・1500RPM時:20.7V前後で2V位変動する
・4000RPM時:43.2V前後で10V位変動する

3相全て同じようなもので大きな差はなかった。仕様がわからないので電圧が適正なのか判断できないが、結構大きく電圧が変動するのがとても気になる。
で、レギュレータを交換した時に気づいていたんだけど、発熱でコネクタが焼けてた。
MC22 バイクのバッテリが充電されない

端子も真っ黒。月日の経過で端子が酸化して接触抵抗が高くなり発熱したものと思われる。焼けてるのはジェネレータの出力端子。これではレギュレータにまともな電力供給ができるはずもない。

補修

コネクタの交換とともにハーネスの劣化部を切除する。コネクタの根元で切った部分の心線の状態。見にくいけど茶色のワイヤと重なって見える手前の黒のワイヤが焼けてたジェネレータの出力。かなり酸化してる。
MC22 バイクのレギュレータの配線を補修
 
4、5cmテープを剥いてみた。土や砂がたくさん入ってる。
MC22 バイクのレギュレータの配線の劣化

メインハーネスから分岐している根本まで剥いてみたが、根元にも砂が入ってた。
MC22 バイクのレギュレータの配線の劣化2
 
で、ハーネスの心線が酸化していないところまでワイヤを少しずつ切除してみる。
7、8cm位切除してみたがここも酸化してる。
MC22 バイクのレギュレータの配線の劣化3

5本全部を10cmちょっと切除してみる。緑と黄色の一番下のワイヤの酸化が激しい。これ以上切除するとつぎ足す場所がハーネスがカーブする場所になるのでここで処理する。
MC22 バイクのレギュレータの配線の劣化4

優しくヤスリがけして、接点復活王を塗布してふき取って銅線の表面の酸化膜を除去。
MC22 バイクのレギュレータの配線の補修2
 
ヤスリはNSRの塗装剥離で使ったヤナセのフィンガーパットセットを使った。先端が平たくとがっているので使いやすかった。ペーパーは一番細かい#240を使用。
MC22 バイクのレギュレータの配線の補修道具

切除の残骸。
MC22 バイクの劣化した配線

ワイヤをつぎ足す。ジェネレータからの入力3本はUL線のAWG16(元のワイヤはもう少し細いのでAWG18かも)。バッテリへの出力2本は同じくAWG12(元のワイヤと同じくらいだと思う)を使用。
継ぎ足しには圧着スリーブを使う。スリーブはこれをビバホームで買ってきた。
MC22 バイクのハーネスの補修用圧着スリーブ

MC22 バイクのハーネスの補修用圧着スリーブ2
細い方はジェネレータ、太い方はバッテリのワイヤに使う。
はんだ付けする例をよく見るけど個人的に車、バイクの配線にはんだ付けは無いと思ってる。はんだは熱膨張でクラックが発生しやすく、20年を超えた測定器、オーディオのアンプやCDプレーヤでクラックが大量に発生した基板を沢山見てきた。車やバイクは振動、温度ともに家電より過酷な環境なのでもっと早く劣化するはず。特に電力系統でクラックが発生すると抵抗が増加し、そこが発熱して焼ける可能性が高くなる。とは言え2、3年で使い捨てるなら手間を惜しんではんだ付けで済ませることもあるかも。がっちりやりたい気持ちはわかるけどがっちりやると応力が集中して心線が折れやすくなるという弊害もあったりする。まあ、圧着も素人が手でやってる限り規定通りの強度、接触抵抗になってるかは怪しいからどっちもどっちなのかも。
 
コネクタの配送待ちで暇だったので、切除した捨てるワイヤを圧着し、今回のワイヤとスリーブ、圧着ペンチの組み合わせできちんと圧着できるか確認してみた。圧着後思いっきりワイヤを引っ張って抜けないかやってたら被覆が全部脱げた。大丈夫そう。
MC22 バイクのハーネスの補修 圧着
 
つぎ足すワイヤは切除したワイヤより2cmくらい長くした。この2cmは、最初に切り取ったコネクタの中にあった分。で、片側にスリーブを圧着。
MC22 バイクのハーネスの継ぎ足し
 
車両のハーネスに圧着する。圧着後、コネクタ側の被覆を剥いておく。
MC22 バイクのハーネスの継ぎ足し2
コネクタはアマゾンで買ったけどAFCの配送ミスがあって配送状況が「調査中」となり、まだ届かないので待ちぼうけ。AFCにチャットボットで問い合わせて、配達店に届いたら取りに行くと伝えたら6時間後にヤマト運輸の配達担当営業所から荷物が来たと電話がかかってきたので取りに行ってきた。
 
取ってきたコネクタはこれ。端子は大小、それぞれ1個ずつ予備が入ってるのはありがたい。
MC22 バイクのレギュレータのコネクタ
商品はアマゾンのこれ。例のごとく商品名が長い。。。
 

早速、端子を圧着。

MC22 バイクのレギュレータのコネクタ端子の圧着
 

コネクタに端子を挿入し、コネクタをレギュレータに接続して配線は完了。

配線の保護処理は動作確認をしてから。(保護前の写真を撮り忘れたので保護後の写真)
MC22 バイクのレギュレータのコネクタ端子の圧着2
レギュレータの出力の赤と黒(元のハーネスでは緑)は元通りの位置に刺す。ジェネレータの出力は三相交流でレギュレータの整流回路にはいる(はずな)のでどれをどこに繋いでもOK。
 
ついでに、なんとなくwebを徘徊していて見つけたげんらくマスターさんの
に書かれてるちょんまめんさんの
にスタータリレーの接触不良が原因で充電されなかったということが書かれてたのでコネクタに接点復活王を塗っといた。
MC22 バイクのスタータリレーの接触不良の補修

動作確認

バッテリ端子間の電圧を見てみる。
1500RPM(アイドリング)時:15.01V
4000RPM時:15.01V
電圧の変動は100mV以下。
回転数に関係なく安定してる。アイドリング時の電圧が低かった問題とジェネレータの出力電圧が変動する問題共に改善したみたい。
スポーツグリップヒータをレベル3にしても電圧に大きな変化はない。
 
1500RPM
MC22 バイクのレギュレータの電圧 アイドル時
 
4000RPM(絵的に変化がない。。。)
MC22 バイクのレギュレータの電圧 4000RPM時
 
今回のバッテリ上りにスポーツグリップヒータは関係なく、スポーツグリップヒータのコントローラの取り付けでレギュレータ付近のメインハーネスを触ったことにで腐食部で接触不良が起こったんじゃやないかな。(コントローラはハーネスにタイラップで固定してある)

あとはハーネスを保護して完成。テープは古川電工の絶縁、防水のエフコ テープ2号を使った。もともとハーネスに入っていた保護チューブは圧着スリーブの部分が太くなったて入らなくなったのでポイした。
MC22 バイクのレギュレータの配線保護

試乗

雨が降ってきたのでまた今度。
 
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